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猫 第一話

真夜中、僕は携帯を片手に家を飛び出した。

はじめは家の引力に引っ張られるかのように家の周りをぐるぐるまわっていた。

でも次第にその引力は薄れていたようだ。

僕が携帯を耳から離して待ち受けを覗くと、家を出てから二時間以上がたっていた。
ふと周りを見渡すとそこは森の中だった。
空を見上げると雲と雲の間から半分の月が綺麗に見えていた。

月を見ていると家に帰る気も失せて、僕はこのままここで朝になるのを待とうと思ったりした。
数分もしないうちに寒くなって、僕は家に向かって歩き出した。春になったとはいえまだ夜は寒い。風呂上がりにパジャマのまま外に出たことを今になって思い出した。

帰り道はとても長く感じる。
数時間前この道を歩いてきたとは到底信じられなかった。

車の気配が一つもない道路の真ん中を歩いた。

あたりは次第に見慣れた風景にかわり、僕は家についた。

家の人たちを起こさないためにそっとドアを開けて家の中に入った。
ドアには鍵がかかっていなくて、不用心だったと思いながら、何事も起こっていない我が家を見て安心した。

リビングの電気は消えていて、二階の僕の部屋から、つけっぱなしだったのか、光が漏れて階段を照らしていた。階段を上り、半分開いたままのドアをさらに開けて僕は部屋入った。

ちらかった部屋の真ん中に椅子が置いてある。こんな椅子の置き方したっけ。
僕はあるべき場所に椅子を直そうと、背もたれを持った。
その時、僕の目に鋭い視線が突き刺さった。
青い眼球に黒い瞳。しっかりとじた口が何か言いたげだった。

そこにいたのは一匹の黒い猫だった。


                                                              



                                                              -つづく-


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